という具合に子供がいる。
私は一人っ子なので、兄弟姉妹はおとぎ話だった。
「兄弟って〇〇何でしょー?」みたいな想像。
一般的に1番目はしっかりしていて、2番目は破天荒、3番目は才能があって‥ってあながちだ。亀田兄弟のように。
我が家は長女はマジメで慎重努力家。陰キャの藝術家。
次女は社交的で明るい。スポーツ万能。
長男は万能系。勉強もスポーツもできて努力しない。
次男はおもちゃ。
‥下は4歳なので未知。
末っ子は長女が家を出る寸前に生まれたので、4人揃っての思い出があまりないのだが、3人兄弟のときは各自個性があって面白かった。
以前、書いたかもしれないが、氷砂糖のエピソードは面白かった。
紫蘇ジュースを作るときに買う氷砂糖。
長男3歳、次女低学年、長女高学年の時、飴のように食べられるよ。
と、与えたら、結果的に氷砂糖が通貨となり、インフレとなった。
一度食べた子どもたちが、なぜか全員ドハマリした。
ストックがちょこまか減るので叱ったら、長女が小遣いはたいてスーパーで買ってきた。
マイ氷砂糖だ。
これがズルいズルい!と、火種となり、長女が「じゃあ2個あげるから皿洗い当番変わって。」という感じで妹弟を雇い始めた。
氷砂糖を通貨にしたのだ。
しかし最初はそれでも働いていた労働者たちも、賃金の安さにストライキをおこした。
最低賃金は上昇し、最終的に氷砂糖10個でも皿洗いはしなくなった。
インフレである。
そうして長女は経営破綻した。
兄弟って面白いなーと思った。
また、ある時、テレビで「現代っ子は野原で遊べない」という学術研究を見ていた。
要は今の子にはなんでも与えられているため、想像力に欠け何もない空間で「遊んでいいよ」と、言われても遊べないというのだ。
へー
早速我が子達を砂浜に解き放ってみた。
何もない海岸で、波もあるから水遊びもできない。
3人は「うみだーー」と、テンションが一瞬上がるも、で?って感じに。
私は本を読み始め、放置していた。
すると各自が勝手に遊び始めた。
長女は穴を掘り始め、次女と長男は貝殻を拾い始めた。
この貝殻、その辺にクソ程あるのに「それ私のだったのにー」とか、「キレイでズルい!」と、わけのわからんいざこざがあったり。
黙ってみていたら、下の二人は貝殻が通貨となった。
拾ってきた貝のお金でゴミを買うという遊びが延々と続いた。
どんなにやっても、次女が大金持ちになる仕組みだ。
日も暮れてきて、帰ろう。
となった時、腰まで埋まりながらなお、素手で穴を彫り続ける長女に気づいた。
スゲェ深い…。
ずっと掘ってた。
こんな感じの姉妹弟だった。
今は長女が嫁ぎ、次女は大学生で一人暮らし。
家では男兄弟だけになってしまった。
でもこの二人、年も離れて父も違う。
性格も違うし、顔も違う。
何だか子は鎹、では無く、鎹は私だ。
一人っ子は全てを独り占めできて羨ましい。
と、言われがち。
でも私は家族間の闇に気づかず。
自分を殺して育った。
誰にも言えない。言う人がいない。
だから兄弟って羨ましい。
みんなで親の間違いを言いあったり、発散できるし、良いことも悪いことも分かち合える。
何より親にもしもの時があったとき、もめる可能性もあるかもしれないけど、みんなで考えることができる。
私は一人。
これから必ず起こるべき不幸やその対処は全部自分に伸し掛かる。
まあ、それはそれとして…子どもの頃、毎日一人でゲームもない家で。
自分が何をして過ごしていたか覚えてない。
やっぱり、兄弟っていいよ。
もう戻れないけどさ。