ASDのただの主婦

       ASD診断前から診断後も続投ブログ。ASD目線だからこんな思考だったと後からわかるの巻。

お役所vs現場

私は常に「何でだろう?」と、考える癖がある。

今回ぶち当たった「何でだろう?」はこれだ。

 

「市内生活困窮者へ向けて、カレーを無償提供する」という、お役所企画。

 

これに参戦することとなったわけだが、以前書いた「市役所でのお弁当販売」が如く「現場が見えていない」企画として出来上がった。

さすがお役所仕事。学習能力が無いところが見事としか思えない。

 

たぶん考案者は「パソコンと想像力だけ」で発案し、お役所サイドは「市民への体裁」だけでゴーサインを出したのだろう。

これに乗っかる旦那も旦那だよな。

と、思ったが、彼は彼なりにリアルで貧困家庭で育っているので、純粋に協力したかったらしい。

 

企画内容は、「市内大学生が考えた”健康カレー”のレシピ通りに各飲食店がカレーを作成し、各飲食店にて無償提供(イートインのみ)」というもの。

そして今回考えられたレシピは「大豆とひじきとごぼう五穀米カレー」

 

ターゲットは「市内在住の生活困窮者(主にお年寄りとシングル家庭)」である。

レシピはとても良く考えられていて、栄養価も高く問題はない。

ただ、致命的なのは「このカレーを生活困窮者(お年寄りと子ども)が食す」ということだ。

 

まず、使われている材料が軒並み「消化に悪い」食べ物であること。

五穀米の栄養価は定評だが、「生活困窮者のお年寄りの歯の本数」を知っていますか?と、問いたい。

そして、子どもがこのカレーを出されて喜ぶか?聞きたい。

 

つまり、大手町の「美意識高いOL向け」のカレーであれば満点だが、今回のターゲット層では現実的に「噛めない」または字義通り「食いつかない」可能性が高い。

下手をしたら消化が悪くて「食べたものがそのまま出てくる」事にもなりかねない。

 

そしてこのカレーを困窮家庭にアナウンスしたとして「一体何名が各店舗に足繁く訪れるのだろう」という謎。

実際当店の商圏内で存在すると思われる「生活困窮者」の数だが、個人情報なので開示されるはずもなく。同日に複数店舗で開催するので、まず「分散」する。

その予測に対して、漠然と「毎回20食作ってください」と丸投げ。

 

ちなみに当店は「駅近」なので、家賃も高い。

「駅近の生活困窮者」ってどんな感じ何だか浮かびもしない。

家とかないレベルを言ってるんだろうか。

 

お店が通常営業している片手間に行うものなので、他のお客様もいらっしゃる中で「無料のカレー」を食べる事になる。

私がもし生活困窮者の立場であったとしたら、お金を払って食事をしている人と、肩を並べて「無料のカレー」なんか食べたくない。

「私は生活困窮者です」って周りに公言しているようなものだ。

 

他のお客さんに「メニューになかったけどあのカレー頼めます?」とか聞かれたら、どう配慮しろってんだ。それがドピークタイムだったらどうすんだーー。

 

支援を受ける方もプライドがあるだろう。

万が一、「外食」を余儀なくされたら、身だしなみも整えるかもしれない。

この状態でポテンシャルがどれだけ続くんだろう。

 

百歩譲って「市役所内での炊き出し」じゃダメなんだろうか。

何で「通常営業中の市内の飲食店」に分散してわざわざ出向かないといけないのだ。

一見さんならそれも「敷居」になってしまうし、「今日の分終わりましたー」となって「よし、次の店へ行こう」ってなるか?

 

現実問題、「人が動く」のにはとても労力がいる。

これを踏まえても「企画倒れ」は否めない。

もし、それでも無料カレーを食べに来る人がいるとしたらそれは「困窮者ではない」

 

そう思うと、とりま「普通のカレー」で良くないかと。

お店のカレーはどこにでもあるけど「普通のカレー」って、一人になると意外と作らないものだ。

でも、どこか懐かしくてたまに「食べたいな」って思う思い出の味だ。

それをこちらサイドで作れと言うなら作るから、役所の人間がタッパー集めて家まで届けてあげれば良くない?と思う。

 

実際生活支援課や介護福祉課だって各家庭に訪問しているわけだから、ついでに持っていってあげたほうが喜ばれるし相手も楽だ。

何より「本当に必要な方」に直に届くわけだし、定数が決まっているわけだからロスもない。

 

そういう発想はなかったのか…なんでもやりゃいいってもんではないのだが、どうもお役所は「やってます感」を出したがる。

 

そもそも企画の発案の段階で、「当事者」立ち会いのもと勧めていないのがまずバカ。

こういう企画を立ち上げたいんですが、という段階で飲食店に同席させろや。と言いたい。

何でもやってみてから「やっぱりこうなりました」とか平気で突きつけてくるあたりもムカつく。

「プロだからどうせできるでしょ」という頭なのだ。

「お前がやってみろ」と、思う。

 

今回のカレーも毎週2回20人前作って、その分のお代は「税金から」出してもらえるので「お店は損しないから大丈夫でしょ」とか平然と言う。

更に余ったカレーは「当日廃棄してください」という御布令も平気で出す。

 

「テイクアウトは衛生上無しで。」な、わりに「毎月の検便は任意です。」

はぁ!?

 

現場は毎回、何人前を作っては捨て…作っては捨て…とするんだろう。

間接的に「税金の無駄遣い」だと思うが、そのあたりの現実は見えていないのだろうか。

 

市役所に掲げた「サステナブルな未来!」とかいう標語はどの面下げてぶら下げているんだろう。

言っていることとやっていることの矛盾に気づく人はいないのだろうか。

 

私は学歴もないしそもそも障害者だし頭はスッカスカだが、いっぱいお勉強して「人様のお金(税金)」を左右する人たちって、こんなに「考えない」のかと毎回辟易する。

 

学級会とか苦手なタイプの集まりであれば、私と同じ症状だ。

人の話に耳を傾けられないのなら、辞めちまえとも思ったが力がないので飲み込んだ。

 

少しでも困った方に渡るように、勝手に努力しちゃおうと思う。