さっき次男と出かけた際、多方面のジャンルの作家さんが集まって自身の作品を販売するお祭りが開かれていた。
陶芸、彫金、服飾、装飾品など様々なこだわりの品が出店されていた。
とても繊細な作品が多く見入っていたのだが、どうも「欲しい」と思わない。
お土産程度に…と、手に取った髪留め「2,800円」。
…現実的じゃない…。
いや、ハンドメイドだし一点ものだし、作家さんの作品だからの付加価値は理解する。
ただ…日常使いできない…ということは「髪留めを購入しても使えない。→使えないものにお金を払う。」ほどの金銭的余裕がまだない。
どこのブースもとてもこだわりを感じてじっくり堪能したいのだけど、今回の目的は「販売」
別に欲しくない。芸術品なので純粋にじっくり見たい。
困った。
本当に見てみたいという興味があるのに、うっかり話しかけられて相手の作品に対する「思い」を聞いてしまったが最後、私は逃げられないタチだ。
見えない「何か」に縛られやすいので、現状打破したくて5〜6万くらいの壺を買ってしまうかもしれない。
結構そういうことが今まであった。これも症状に書かれていた。
私は相手に強く共感してしまったり、相手の圧力に負けやすく従ってしまいがち。
だから何度もいじめや暴力を受けたし、押しが強い変な訪問販売を何回か入れてしまい、圧をかけられて動けなくなってしまい泣きながらサインしてしまったこともあった。クーリングオフしたけど。
なんか「断る術」を知らないと言うか、恐怖感が強く固まってしまう。
実際相手がイラつくのもわかるのだが…って感じだからダメなんだろう。
まあ、こういうやりとりは私の苦手分野のひとつ。
飛躍したけど、個人の作家さんってきっと一点一点にすごく思い入れがあると思う。
だから量産しようとか、売上ようとか、わかってほしいという目的ではなく、世間に「見てほしい」が大前提なのかなって思う。
だから見る方も「キチンと見る」ことが作者に対しての礼儀なんじゃないのかなって、そこまで考えてしまう。
そんな中、ぺちゃくちゃ話しながら「すごーい、かわいー」とか連呼し、その気になった制作者と話すだけ話して「また来ます−」とか「応援してますー」と、手ぶらで帰っていく方たちの気がしれない。
何なら一周回って私もそうなりたい。
物事を複雑に考えてしまいがちで、どうしても「ふらっと立ち寄る」事ができない。
外でテントを張って行っているイベントなんだけど、今日はお天気もよくせっかくの革製品や藍染が炎天下で何時間もさらされていた。
しかもオーガニックコットンで作った洋服売り場の裏が焼肉店で、匂いが半端なく絶対洋服にも染みてしまっている。一枚20,000円位する服ばかりなのにだ。
何年も開催しているイベントなんだから、主催者も配慮できたはずだと思うのだが、さすがに可愛そうでその洋服屋さんは見られなかった。
結局どのブースも見学者はいても、ひとつも売れていなかった。
こんなに技術のある人達なのに、炎天下だし陶芸の作品が置かれている台もベニヤを組んだものだから、少しバランスを崩したら全部コンクリートの床で割れてしまいそうに危うい。
このイベント全体的に見るととても素敵なんだけど、出店者に配慮されていなくて「主催者が好きな人を集めただけ」な印象もあって、なんかがっかりした。
室内ブースもあるのだから、空調が整っていて入場も流れも整備できる環境でひとつひとつの作品を大切に展示して販売してあげてほしかったと思った。
来年横浜でトリエンナーレが開催される。
現代アートの総合イベントなのだが、これが好きで見に行っていた。
そもそもアーティストって個人の一方的な思いを自分よがりに表現するわけだから、「ファンはあとから付いてきて」のスタンスだ。
でも、日用品などのデザインは万人向けでないと評価されない。
だから「ファン(ニーズ)ありき」で、物事を構築していかないとならない。
この現代アートという一方的な考えに対しては「好き、嫌い」と、シンプルに評価できるが、今回の物販での「私の感性を理解して」の押し売りでは、そもそも受け入れる方も体制が整っていないわけだから入りづらい。
しかも作家さん当人が会計までやってるので、余計気を使う。
お客さんも「興味が無いわけでは無いけど共感しづらい」空気で、なんか違和感のあるイベントだったなーと、思いながら帰ってきた。
せっかく技術がある方たちが集まっても、それをしっかり理解している方が開催をして、お客さんもチケット制など本当に興味のある方に絞らないと、程度の低い馴れ合いで作品を傷ませているようで、もったいないなぁと思った。
なんだかこういう技術者に対しての馴れ合いイベントは得るものもなく、無意味だと私は思う。
作品の価格も一般向けではないから、理解を広める程度のスタンスではただのフリーマケットだ。
作家さんだって、にわかファンにノリで買われるのも心外なのでは。
いろんな専門分野での界隈では知名度のある方たちだと思うし、こういう創作者の方たちは文化を作っていくため、もっと大切に知名度をどんどんあげてほしいと切に願う。