次男のバスケがおもろい。
我が家でバスケ経験があるのは次女だけである。
次女は小3から高校生まで続けたが、高2で前十字靭帯を断絶し、復帰を目指すもコロナで大会が軒並みなくなって、そのまま引退となった。
8年近く続けたバスケは尻切れトンボで終了してしまっていた。
次男は元々「サッカーがやりたい!」と言っていた。
しかし、私は母親二週目。(長女が結婚してお母さんなので。)
サッカー部の様子がどうだとか、大抵のことは把握していた。
「サッカーと野球はいかん。」
なぜなら母親フル回転の競技であるからだ。
しかしバスケは良い。
自分も一度保護者として通った道だし、私立校の体育館は冷暖房完備だ…。
そんな自分本位(でも結構大事)な理由でバスケに転向させていた。
今の男バスはとにかく甘くて優しくて下手ク…。
次女の女バスが規律に厳しくて、礼儀作法や上下関係がバリバリだったので、運動部も14年経つとこうなるのか…と、嬉しいやら悲しいやら。
コーチも全然怒らないし親同士も緩くて精神的に楽だけど、いわゆる「運動部」ではない「馴れ合い」みたいな部活だった。
次女のときは一度子どもたちのアイデンティティをぶっ壊して、強制的に再構築させる事で強靭なメンタルを再生する様な指導だった…。
とくに次女はセンターのスタメンで出っ放しだったので、心も体も人一倍しごかれた。
そのため我が家イチの「アイアンメンタル」となり、ちょっとやそっとではくじけない子に育った。
…というか「弱い犬ほどよく吠える」の真逆で、強すぎて吠えないどころか目もくれないが。
変わって次男はマイペースで、雰囲気もコッペパンに天使の羽を付けたみたいなフワフワした子であった。
この子がバスケになると何かが憑依するわけだが、まぁルールも知らず技術がなさすぎてついて行けず、全力でエンドからエンドまで走っているだけ。
そのくせ審判に「ボールが来ない!!」と、怒って直談判しに行くので面白かった。
審判に言っても解決はしない。6歳だから笑って許されているけど、公式戦ならファウルだ。
また違う日も練習試合の後に「誰もボールをパスしてくれない!」とコーチに怒っていた。
コーチは「自分で貰いに行くんだよ。でなければ取っちゃいな。」と、笑っていたが本人が超真剣でおもろい反面、頑張っているんだな−と感心した。
ある日女バスの2年生と練習試合をした。
次男は敵と味方が分からず、仲間の女の子を必死でディフェンスしていてブチギレられていた。
その次の練習試合では、味方のゴールを一人で守っていた。
…文字通り手を広げて「守っていた。」
私が「走れーーー!」と、言うも動かず。
なんでゴール下にいるの?ボールを追いかけなきゃ。
と、言ったら「僕がゴールを守るんだ。」と言っていた。
…理由があるのか…しかしそれはバスケじゃない。
挙句の果てにU10でオウンゴールした。
最後のエピソードは酷かった。
練習中、体育館にコオロギが入ってきたので次男が捕まえた。
それを3年生の練習試合に参加しているコーチに見せに行ったのだ。
すっごいニコニコしながらコオロギを持って、コーチに見せていた…。
その後の自分達の試合中、ゴール下にアリンコがいたらしくて、「みんな待って!」と試合を中断させて外に逃がしに行っていた。
優しい…優しいよ…
しかし「今」じゃない…今じゃないんだよ…。
帰りに「急に止まったり、試合中にコートに入ったら危ないよ。」と、注意したら「でも虫さんを助けたんだよ。」と、鼻をふくらませていた。理由があった…。
「…死んで地獄へ行ったら、アリさんがたすけてくれるよ。」と言ってやった。
カンダタか…てか、なんで次男が地獄に落ちる前提なんだ私。