私は咄嗟の質問に答えられない。
言葉のこだわりが強く「自分の気持ちを正確に伝えるのが礼儀」
というみえない縛りがあり、「正確に…」と考えるほど言葉が出なくなる。
ただ「言えないけど書ける。」
口頭だと、「相手がどんな意図で話しかけてきたか」が全くわからないので、いちいちじっくり考えてしまう。
例えば美容院で「この後ご予定があるんですか?」と、聞かれることがあると思う。
この時、瞬時に大量の「パターン」が頭に浮かぶ。
①仕上げをちゃんとしたいのか
②逆に面倒で仕上げたくないのか
③ナンパか
④意味もないルーティンか
⑤詮索か
⑥暇そうなら別のオプション売り込むつもりか
…などなどバンバン想像してしまう。
その中から「まぁねぇわな。」という妄想を取っ払い、残ったいくつかから「他人の気持ちを想像して答えようとする」が、それだって「自己完結なわけだ。」
と、心のブレーキが掛かる。
結局…「正解がわかりません。」が、答えで黙ってしまう。
でも、できないなりに努力することもある。
今、顕著に出ているのはキックボクシングでだ…。
私はここでかなり自分を開放している。
地であるASD丸出しでいるため、咄嗟のときも「ASDモード」が切り替わらずキョドってしまう。
ここのインストラクターの方たちは軒並み優しくてみんな好きなのだが、私はASDモード全開のため、どうも人の目が見れずに避けて通っていた。
外面が「あなた達に興味がありません。話しかけないで。」みたいに見えて、それも不本意だなぁ…と悩んでいた。
ある時、体験後に入会を悩まれている方とインストラクターがお話していたのだが、その横を私がすぅ〜っと帰ろうとした。
インストラクターはそんな私にも丁寧で「〇〇さん!今日も頑張っていましたね!」とかいつも何かしら声掛けをしてくれる。
…めっちゃ嬉しい…
これが態度に出ず恥ずかしさもあり、残さずシカトこいてしまう。
そんな私に続けて「あ、最近代わったことはありますか!?」と訪ねてきた。
嗚呼…「正確に答えなければ!!!」なんか大事な場面な予感!
たぶんだが、入会を迷っている人の参考というか「現場の声を聞かせたいのかな」と……帰ってから気づいた…。
つまり、この時咄嗟に「自分の本音を忠実に言ってしまった」のだ。
きっと本当は「体が動くようになりました」とか「痩せました」を聞きたかったのかもしれない。
私はおもむろに口を開き
「…最近…少しずつ慣れてきたら…
音楽とかどうでもいいので、サンドバックに穴開けたいと思い始めました。」
「…?」(どゆこと?)
…自分で口に出しながら「音楽とか…」の辺りから「これアカン気がする」と、わかって言い切った。一回この場を否定している。
インストラクターがすかさず「パンチ力上がってますよ!」と、フォローしてくれたので迷っていた方も「…あー」と、ニュアンスを察知してくれたが、帰りのエレベーター内でウジュウジュしてしまい「一人反省会」だった。
「…何をしたいッ!自分!!」
こんな話も一回ではない。
思い返すとおもろいだけだが、「嫌いな人たちじゃないからちゃんと答えたい!」が、完全にから回ってしまう。
「ワタシ的には的確な表現」だったのだが…。あんまよくない。
ある日、別の会員さんと立ち話で盛り上がっていたインストラクターの横を、すぅ〜…っと帰ろうとした際、
「あ、〇〇さんは続けていて心の変化がありました!?」
と、尋ねられた。
…「心の変化???」
具体的に言ったほうが丁寧なんだろうか??月次な答えで良いのだろうか?
いや、でも今別の人と話しながら聞いてきてるんだから「私個人の独創性を問うているのだろうか?」質問が頭の中でぐるぐる回った。
後の開口一番、
「…1セット(30分)を4回やったあとは、すれ違う通行人が全員ザコに見えます。」
「…?」
一瞬固まる。みんな。
咄嗟に「わかります〜」と笑ってくれたけど、私が店舗を出た後は残った人たちテンション爆上げだったと思う。
あのおばさん何言っちゃってんの!??みたいな…(ネガティブイメージ)
もう、私に曖昧な聞き方しないで欲しい…選択肢をくれ。
番号順で3択くらいのわかりやすいヤツ…。